映画『世界で一番ゴッホを描いた男』

スタッフ

  • ユイ・ハイボー
    監督ユイ・ハイボー
    中国の武漢大学にて写真を学び学士号を取得。映画監督と同時に深圳経済日報チーフフォトエディター、深圳プロカメラマン協会の代表を務めるなど中国におけるシュールリアリズム写真の先駆者と評価されている。1989年からドキュメンタリー写真に取り組み、“Tibet”, “Music Youth”, “China’s urban expansion”などの作品は世界中で展示会が開催されており、多数の賞を受賞し写真集も出版されている。また映像作品では、写真エッセイとも言える短編『One Man’s Shenzhen』(12)を監督。本作が長編デビュー作となる。
  • キキ・ティンチー・ユイ
    監督キキ・ティンチー・ユイ
    中国の Century Image Media にてプロデューサーを務める傍ら、 中国上海交通大学の USC-SJTU 研究所の映画科で助教授として教鞭を執る。ドキュメンタリー短編作品『Photographing Shenzhen』(07)、『Memory of Home』(09)、『Tube』(08)を手掛ける。 ウエストミンスター大学で映画制作を、ケンブリッジ大学で社会学を学んだ後、ウエストミンスター大学でドキュメンタリー映画制作を学び、博士号を修得。ハイボー・ユウの娘である。

キャスト

  • 趙小勇(チャオ・シャオヨン)
    趙小勇 (チャオ・シャオヨン)
    湖南省出身。1996年に出稼ぎで大芬にやって来た。そこで初めてゴッホの絵画と出会い、これまで独学でゴッホの複製画10万点以上を家族と共に描いている。多い時には毎月600~700枚のゴッホの複製画を全世界へ輸出している。

監督メッセージ

日本の皆様へ

こんにちは。『世界で一番ゴッホを描いた男』が日本で上映されることは、とても嬉しいことです。皆さまに感謝いたします。日本の皆様が『世界で一番ゴッホを描いた男』に関心を持って頂いたこと、ありがとうございます。

『世界で一番ゴッホを描いた男』は、2011年から私と娘が共同監督で取り組み、製作したものです。実は2004年から私は油画の街・大芬(ダーフェン)に関心を持ち始め、写真という形で彼らについて撮影を行ってきました。それらの写真がWORLD PRESS PHOTO で賞を受賞し、世界からの関心を集めました。そういうこともあって彼ら一人ひとりの物語を映画という形で表現したいと思うようになり、2011年から娘と一緒に撮影を始めました。

大芬油画村では、1万人以上の画工が世界の名作を複製しています。その内、かなり多くの人はゴッホの作品を複製していて、彼らはゴッホの作品の中でも最も売れる人気のある作品を複製しています。私達は始めに、彼らの中で6名の方にフォーカスし、彼らについて2年以上の時間をかけて撮影を続けました。その中で6人の内、2人の物語に変化が生じました。 一人は、趙小勇さんです。彼の家族は、全員ゴッホの作品を複製しています。彼らは10万枚以上のゴッホ作品の複製画を描いてきた訳ですが、アムステルダムへゴッホ作品の本物を見にいくことを決心したのです。この話しを聞いて私達は一緒に欧州へ行き、彼らの行動を撮影しようと決めました。 もう一人は、周永久さんです。彼もダーフェン油絵村のゴッホ作品を複製する画工の一人で、多くの弟子もかかえています。彼は、数十万枚のゴッホ複製画の注文を受けることになり、生産ラインのシステムを立ちあげました。生産ラインとは、携帯電話を生産するラインの流れ作業のようなものです。

彼らは毎年大量の複製画を制作して、世界各地に販売しています。彼らの作品、生活、運命について関心を持ったのがきっかけですが、気がつけば6年の撮影時間を費やしました。6年間、実に多くの紆余曲折と呼べる物語があったのです。

* World Press Photo Foundationとは、オランダのアムステルダムに拠点を置く独立した非営利団体。 1955年に創立されたこの組織は、毎年開催されるプレス写真コンテストで知られている。

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